不意に布を摘みあげられたから本当に破られるんじゃないかと慄いてしまう。けれど、パイロットスーツ用の薄くても丈夫な布は手で引き裂くことは出来ないらしい。ナイフも持っていないとの事なのでどうやら諦めてくれるようだ。思わずほっと安心していると腰を掴まれた。

「しょうがないからずらしちまおうか。」
「ッ!」

突然の行動に驚くと、スパッツをあっと言う間に膝の下まで下ろしてしまった。ひやりとした外気が恥丘に触れ、ふるりと躯が震える。その上晒されてしまった事で肌が視線を必要以上に感じ取ってしまい羞恥が高まっていった。

「んっ…うぅっ…」
「ひくひくしてるな?期待してるの?」
「んんんっ!」
「ふふっ…意地はっちゃって…」

花弁を捲り上げられて蜜口を露にされている感覚の中、聞こえてきた言葉にふるるっと首を振って否定を示す。けれどすぐに聞こえた笑い声の後、熱くてぬるりとした塊が潜り込んできた。じゅるりと耳を塞ぎたいほどの厭らしい音に頭がおかしくなりそうだった。水音を立てて舐め回される感触に呼気はさらに浅く、躯の震えがもっと細かくなっていく。

「ふッ…ぅふっんんっ…」
「…ん…大洪水で…舐め切れない、な…」

蜜壺の入口を浅く出入りする舌と、足の付け根を擽る柔らかな髪に絶頂へと導かれていく。抵抗しようにも、閉じることも逃げることもできず、されるがままだった。
満足に酸素を取り込めなかった口から布を外された。ようやく吸える新鮮な酸素に胸を上下させながら、内に燻る熱に震え続ける。執拗に舐められた花弁も解放されたが、中途半端に高ぶらされた状態では生殺しのようなものだった。

「はっ…はっ…」
「やらしい顔しちゃって…そんなにココが疼く?」
「ひうっ!」

目を合わせないように顔を反らせていたのだが、そのおかげで無防備な耳に齧りつかれて熱い息とともに言葉を吹きかけられる。下腹から撫で下していく手が恥丘の合わせ目を伝い、花芽を押し潰して花弁へと到達すると指先が潜り込んできた。足の付け根を流れて桃尻へと流れる新たな蜜が、生暖かく肌を伝い落ちていく。指が、手が蠢く度に跳ねあがる躯が恨めしく、唇を噛んでどうにか声を押し殺す。

「強情だなぁ…」
「うっ…くっ…」
「ま、その方が断然燃えるけど?」
「っ?!」

くすりと耳元で笑う声を聞くと突然躯を転がされてしまった。前身が草の上にぴったりとくっつき、冷たさに身を捩るも足が満足に使えない状態ではどうしようもない。どうにか腹のあたりだけでも浮かそうとしていると腰に回った腕がいとも簡単に浮き上がらせる。そのまま可能な限り膝を地面につけようとすると、あられもなく大股を開いてしまうことになった。

「もっと開くだろ?」
「やっ!」

体勢を立て直せずにいると内腿を撫でられて更にほぼ水平になるまで大きく開かされる。頬と肩、膝だけで体を支えるようにさせられると目一杯開かされた股の間にニールが割りこんできた。

「これだけ濡れてりゃ十分だろ。」
「ッ…あ…」

とっくに肥大して汁を滴らせている雄がひたりと花弁に押し付けられる。あまりの熱さと当てられただけでも感じ取れる鼓動に躯が戦慄いてしまう。今からコレに貫かれるんだと思うだけで苦しいほどの興奮に襲われた。

「俺の体、思い出させてやるよ。」

低く唸るような声に自然と躯が震える。腰に指が食い込み、次に襲い来るであろう衝撃に身構えた。ぐりっと先端が捩じり込まれ花弁が捲られていく。

「ッか…ふ…」
「くっ…は…ぁ…」
「ぅあ…ッア…あ…ぁ…」

重く鈍い衝撃に喉から呼気を押しだされる。突き立てられた楔に上手く息が吸えず見開いた瞳も閉じられなかった。仰け反ったままに途切れ途切れの音が口から零れ落ちる。本能が助けを求め顔を地面に擦り付けて全身を侵す痛みと焼けそうな熱を誤魔化していた。腰に食い込む指が離れ仰け反った背を宥めるように重ねられる。

「せつな…お前…煽りやがったな…」
「ッは…っくぅ…ッは…」

浅く呼吸を繰り返す刹那を見下ろしながらニールは毒づいた。女性の体は一度でも他の男が入ってしまえば蜜壷の形が変わってしまうのだという。だが今貫いた刹那の躯は脳と体に残る記憶と寸分の違いもなく己を包み込み誘い込んでは離すまいと絡み付いてきている。抜いてしまっても良かったのだが、楔を咥ええ込んだ花弁が絡み付いて少し動くだけでも締め上げてくるので傷つけるのではないかと留まってしまう。今にも持っていかれそうな中、熱く息を吐き出して少しでも躯の緊張を解くように頭を撫で黒髪の間から覗く頬へ口付ける。

「ったく…このバカは…ゆっくり…呼吸しろ。」
「ふ…っう…んん…」

頭では理解出来ているのだろうけれど、久しぶりに楔を咥えさせられる花弁が大きさを忘れてしまい、中々治まらないでいる。それでも必死に整えようとしている刹那に苦笑を漏らして上体を抱え上げると己の膝の上に座る形にした。

「ッあぁぁあぁぁ!!!」
「んっ…く…」

縛り上げられた縄によって自然と開く足と自重に深まる楔が最奥を貫き刹那が叫ぶ。痙攣を繰り返す躯を抱き締めニールは衝動に耐えた。きゅうきゅうと齧りつくように絡む内壁が劣情を駆り立て、めちゃくちゃに突き上げたい衝動が理性を蝕む。

「…刹那、大丈夫だから…ゆっくり…息を吐け。」
「あっ…ぁっ…」

一向に強張ったままの躯を撫でて肩越しに語りかける。耳にかかる息にさえ敏感に反応を示す刹那の、頬を流れる雫に唇を添えて宥めた。震える喉から少しずつか細い息が吐き出される。時折引き攣りながらもゆっくりゆっくりと呼吸を繰り返すようになった。

「っ…は…ぁ…」
「ん…いい子。」

少し躯が馴染んできたところで腕を拘束する縄を弛めにかかる。すると刹那がゆるゆると首を振り始めた。

「やっ…だ…」
「…ぅん…?」
「その、ままっ…ひど…く…しろ…」

意外な言葉に手が止まってしまう。いきなり何を言い出すんだ、と目を瞬かせて肩越しに顔を覗き込むも俯いていて分からなかった。

「?…マゾっ気でも、出てきた?」
「…っちが…」
「じゃ…どうして…?」

半信半疑に聞いてみればやはり違った。僅かな安心とちょっとだけ惜しいと思ってしまう心を見て見ぬふりをして優しく問い詰める。

「いたく、し、てっ…」
「…して…?」
「ゆめ、じゃっ…ないってぇ…」

顔を上げるように顎を掬い上げると躯を苛む熱以上に苦しげな表情を浮かべている。頬を伝う涙も生理的に溢れたものだけではないだろう。

「っん…」

無理矢理仰向かせて唇を塞ぐ。これまで幾度見たのだろう…嬉しく…けれど目覚めた瞬間の淋しさ、悲しさ、絶望…すべてを内包した夢にこれ以上傷つくのは嫌だと泣く刹那が愛しくて切なくて…胸の奥を甘く疼かせる。

たっぷりと重ね合わせて口内を味わいつくす。ようやっと離した頃には刹那の呼吸が絶え絶えになっていた。ぷるりと潤った唇を舐め上げると抱き寄せた躯がふるっと小さく震える。

「悪いな、刹那。」
「…っふ…?」
「俺としてはぐずぐずに溶かしてやりたいんだ。」

腕から足の間に渡した縄を緩めて体勢を楽にしてやる。けれど、大きく開かされた腿が多少狭まるだけで、束ねられた手首も、折り曲げたまま固定された膝もそのままだ。力の入っていない躯を支えて草の上に寝かせると片足を持ち上げてしまう。

「っん、ぅん!!」

ずるりと内壁を擦り上げられて躯が竦んでしまった。ようやく肌を逆撫でするような波が収まると横向きに転がる状態にさせられている。ぼんやりと瞬いて少し上を向くとニールの笑顔があった。

「こんな角度で攻めたことなかったもんな?」

互いの体がクロスになるような体勢であることに気づくと、自分の内腿が彼の胸に抱えられている光景が確認できた。充分に回っていない思考で見つめていると腰が揺すられる。

「っふあ!?」

ずるりと抜け出ただけでびりっと電流が流れていく。すぐにじんっと甘く痺れる快感に戸惑っている内にもまた楔が捻り込まれた。いつもとまったく違う角度を擦り上げられている為に、今までとは違った攻められ方に躯がおかしくなっていく。

「あっ…ぃやっ!」
「いや?…いぃ、の間違い、だろ?」
「やッ、やぁ!」

音が鳴るほど打ち付けては最奥を突くように揺さぶられると、強弱のまったく違う波に飲まれていく。全身を余すことなく甘く痺れさせているのに、追い討ちをかけるかの如く、持ち上げられた腿をするすると撫でられた。

「素直に、言って、ごらん?きもち、いぃ…って。」
「ぁんっ!ゃ、やぅっ!」

ゆらゆらと揺すられ、腿を撫で回した手は移動していき花芽にまで襲い掛かる。表面を摩られたかと思えばこりこりと音がしそうなくらいに固くなった芽を捏ね回された。腰が溶けてしまいそうなほどに強い快感が刹那の思考を喰らい尽くす。

「だ、めっ!だめぇっ!!」
「いい子、だから…思いっ切り、ヨがって…イっちまえ…」
「ひぁっんっぅうっ!」

びくびくと痙攣し始める躯に刹那の絶頂が近い事を物語っている。連動するようにきゅうきゅうと引き締められる蜜壺にニールも背筋をぞくぞくと震わせ始めていた。

「んあっあぁッ!」
「はっ…く、っふ…ぅ…」

どろどろに溶けた理性と霞んでいく意識の中、再び躯を回されてしまう。ぐりりっと内壁を抉る楔に身悶えるとすぐ近くで荒々しく吐き出される声を聞いた。下半身を持ち上げられて肩から首にかけての部分のみで躯を支える格好にさせられると、脈を浮かび上がらせている楔を深く咥え込む花弁が見える。

「っいっぱい…っ…ぬれて、きた、なっ…」
「っあ、あぁっ、あッ!」

淫靡な光景に頬を赤らめていると間髪入れずに楔が打ち落とされる。ぐちゃぐちゃと卑猥な音をさせる花弁から溢れる蜜が下腹にまで流れ出し、ぬるりとした汁を纏わせながら出入りする楔に躯の芯までかぁっと熱くなった。

「んっく…せ、つな…きもち、い?」
「あっ、んっ、いっいぃ!」
「っふ…いぃ、んだ?」
「んっ、んんっ、い、いっ!きもちっ、いぃぃ!」

もう何を口走っているのかすら分からなくなるほどの熱の中で微笑むニールの顔が見えた。その瞳と見詰め合うとともに悦楽の波が襲い掛かってくる。反射的に逃げ打つ躯を容易く捕らえられて更に最奥へと楔を撃ち込まれた。

「がまんっ…せずに、イけ、よ…刹那っ…」
「やぁっ!やぁあぁぁ!」
「ずっとっ…抱き締め、てっ…やる、からっ…」

どこまでも激しさを増しそうな攻め苦に頭を振り乱し、必死に己を奮い立たせる。なのに、嘲笑うかのような強烈な悦楽が休む間もなく躯を突き抜けた。自分を見失いそうな渦の中で大きな手が頬を宥めるように撫でてくる。その温もりに応えたくて手を伸ばしたいのに、縄が軋む音ばかりが聞こえてきた。

「に、るっ…にぃっるぅ!」
「んっ…ここ、にっ…いる、よ?」

泣きじゃくるような呼び声に優しい声が上擦りながらも応えてくれる。ぽろぽろと涙を溢れさせる目尻に唇が押し当てられた。ちゅっと音を立てて吸い上げられると舌が涙の痕を巡ってつぅっと滑っていく。ぞくぞくと駆け上がる震えに連動して蜜壷が絞まっていった。

「せつっ…なっ…」
「あっーーーーーーーーーーッ!!!」

耳元で低く唸る声に煽られたように背が仰け反る。声も出ないほどの絶叫と共に躯中を巡る甘い疼きが四肢を痺れさせた。視界がちかちかと明滅を繰り返し、くらくらと揺れる思考は酸欠に陥っているのだろう。

「…ぁ…ぁ…」

途切れ途切れに出るか細い声が治まっていくとともに、強張った躯からもゆるりと力が抜け落ちていく。浮かせた背が草の上へと戻ると暗くなっていく視界の中にニールの顔を見つけた。

「…ソラン…」

そっと囁いた声は暗転した思考の中にも、優しく響き渡り心を温かく包み込んでいった。


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