ゆっくりゆっくりと寄せては返す波の音に意識すら連れ攫われそうになり思わずシーツをぎゅっと握り締めた。肌に纏わりつく湿気を含んだ空気に嫌気が差す。それでも身の内に招き入れた熱は離し難いものに感じて思わずきゅうっと締め上げてしまった。その瞬間に覆いかぶさる男の唇から小さく息が吐き出されたのを感じ取りますます締め上げてしまう。そんな動きに焦れたのか男の腰がゆらりと蠢き、更に奥へと押し入ろうとする感触に思考が遠のきかけた。

「っ…く……」
「こぉら。唇を噛みなさんな。余計に辛いだろ?」

思わず唇を噛み締めれば長く白い指がそっとなぞる。つぅっと滑る指の動きに思わず口を開けば「おりこうさん」と言われてキスを落とされた。ちゅっと軽く吸い上げるだけのキスに閉じていた瞳を上げれば蕩けそうな笑みが向けられていた。じわりと滲む視界に気付けば今度は頬に唇が寄せられ柔らかくて濡れた感触に背筋があわ立つ。僅かに身を捩ればそれは目尻まで上り詰めまたちゅっと音を立てて吸い上げられる。

「苦しいか?」
「…へいき…だ」
「強がってない?」
「…ない…」

こつりと額を合わせてくすぐったくなるような甘い声で聞いてくるこの男…ロックオン・ストラトスはいつだって余裕な態度を崩さない。それがとても面白くなかった。
こっちはいつもいっぱいいっぱいだというのに。

「じゃ、動いていいか?」
「…ん…了解。」
「了解って…お前さんね」

くすくすと漏れる笑い声に顔を顰めれば「可愛い過ぎなんだよ」とか言われて頬にキスをされた。頬から目尻を辿り、額、瞼、鼻先、そして最後に唇にキスを降らせるとそのまま舌を絡め取られる。くすぐる様に擦り寄せられた温かく柔らかい感触に朦朧としてくれば不意に腰を浮かされた。

「ふぁ!」
「ん…可愛い声…」
「んっ…ぁんっ…」

びくりと仰け反った首に唇を寄せられ熱い吐息と共に恥ずかしいことを言ってのける。ずくずくと内壁を押し上げる熱に思考が焼け落ちていく。ぎゅうっと握り締めた手をそっと握り締められ開かれるように促されれば指を絡められた。僅かに体重を乗せられゆらゆらと突き上げられると視界の端で不安定な両足が揺れ動く。それをぼんやりと見つめているとその間に割り込むように青緑の虹彩が覆いかぶさってきた。

「こんな男前を目の前にして考え事とは余裕じゃん」
「…別に…」
「ふぅん…じゃ、いっぱい啼いてみようか」
「ひぁ!あ!あぁッあ!」

ゆっくりと注ぎ込まれるような波が突然嵐のような荒々しさに変わってしまった。ずんずんと攻め上げてくる熱に頭の中が真っ白に染まる。かっと燃えるような感覚に襲われ頭を振り乱し、意志に反してびくびくと跳ねる体にうっすら汗が滲み出した。己の口から発せられる甘い声と、ぐちゃぐちゃとローションを掻き混ぜる音が後孔から聞こえてきて思わず耳を塞ぎたくなる。なのにロックオンに押さえつけられた手は自由にならない。滲む視界に移るロックオンは獲物を目の前にした獣のように瞳を輝かせてこちらを伺っている。

「ゃあッ!あ!ろっく…おッ…!」
「…せつな…」

押し寄せる快感が強すぎて苦しくなる…縋るものが欲しくて夢中になってロックオンの名を呼んだ。限界が近い…

「ぃ…くぅ!もッ…もぉ!だめ!」
「あぁ…こっちも…イク…」
「ッあぁぁぁぁぁ!!!」

びくびくと跳ねる体をぎゅっと抱きしめられて二人の間に熱を吐き出した。体の最奥に熱が叩きつけられあまりの衝撃と快感に朦朧としてくる。真っ白に覆い尽くされる意識の中でロックオンの微笑む顔が見えたけれど唇に降りてきた熱によって視界は真っ暗になってしまった。



唇を開放すると首に縋りついていた両腕がくたりと力なくシーツの波へと投げ出される。僅かに開いた唇から吐き出される吐息は未だに荒く、閉じられた目尻から静かに涙を流していた。
あどけない表情は普段の凛とした強さを微塵も残さず年齢よりも遥かに幼く見える。まるで先ほどまで組み敷いていた人物とは別人のようだ。
…それにしても…がっついてしまった。

「…あーぁ…こりゃ明日は目が腫れちまってるかな?」

意識を手放しぐったりと横たわる刹那の目元に指を巡らせると濡れた感触とともに涙の粒が指先に乗った。
こういう事をし始めたのっていつだったか…唇を重ねた時は確か眠れない刹那を寝かしつける為に始めたように思う。体を重ね始めたのは…

悪夢にうなされる刹那に嫉妬した時だったか…

小さく震える声に気付いて起きたのは戯れに口付けを施して交わされる熱い吐息に心地よさを感じて眠りに落ちた夜だった。自分の腕の中にいながら刹那は何かを脅えるように体をぎゅうっと丸めて訪れる恐怖から逃げようと必死になっている。よくよく見ていれば小さく震えているのが分かる。起こした方がいいかと肩を揺さぶろうとすればその手を叩き落とされた。
驚きに目を瞠っているとますます体を小さくして何か呟いている。そろりと耳を近づければ聞き覚えのない言葉…何だろうと思いもっとよく聞こうと近づけば『それ』は人の名前だった。

多分、それが切欠だ。

思考が朱に染まり気付けば丸くなる刹那を無理矢理抱き起こし、振り回される両腕を捕まえて壁に押し付けるとその震える唇に噛み付いた。何とか逃れようとする刹那を全身で押さえつけて腕を一纏めにして空いた手で顎を押さえつけ更に深く重ね合わせる。頑なに閉じられた唇をべろりと舐めると驚きに見開かれる赤い瞳が見えた。一瞬にして硬直してしまったのだろう、僅かに開いた唇の隙間から自らの舌をねじ込んで呼吸すら奪い貪り尽くす。酸欠に陥ったのだろう、大した抵抗も見せない刹那をベッドに押し倒して躯を開かせた。

今思えばとんでもない事をしたもんだ…と苦笑いが浮かんでくる。
それでも後悔は微塵もしていない。順序を間違えたとはいえ、刹那の事を本当に愛しているのだと気付く事が出来たのだから結果オーライだろう。
刹那にとっては堪ったものじゃなかっただろうけども…

「…ん…」
「…おっと…」

すっかり眠りに陥ってしまっている刹那が身動ぎ、頬に添えたままだった指が擽ったかったのか首をゆるりと振り反対側を向いてしまう。その僅かな動きにロックオンはふと気付く。

「…入れたままだったっけ…」

刹那の中へ放った後で柔らかくなってはいるが、未だ繋げたままのソコは呼吸の度にやわやわと締め上げてくる。眠ってしまっているとは分かっているが、無意識にもそうやって己を包み込んでくれるその躯が愛しくてしかたない。本当はさっさと抜き去って中に吐き出してしまったものを掻きだした方がいいのだろうけれど、もう少しこのままで…と少々欲が出てきてしまった。けれどもまどろみも感じるからこのまま眠ってしまうのもいいな、などと邪な事を思いついてしまう。
抜けないように…と思いながら刹那の躯を回していくと無意識なのに包み込む内壁が離れたくないとでも言うようにきゅぅっと絡み付いてくる。その結果思ったよりもすんなりとバックの状態に持ちこめ、後ろから抱き締めたまま眠りに付く事が出来た。

−朝になればきっと刹那が慌てるだろうけど…それはそれで見ものかな…
「おやすみ…俺の刹那…」


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