「…刹那…?」
「う…ん?」
「ふたなりって知ってる?」
「……は?」

寄り添わされる柔らかく温かな体と顔中に散らされる口づけに夢現な気分に浸っていると、突然質問を投げかけられた。思わずきょとりと瞬いて首を傾げてしまう。

「知らないよなぁ…」
「…知らないとまずいのか?」
「ん〜…怖がらせちゃうかもね〜…ってやつ。」

苦笑を浮かべるニールにますます首を捻ってしまう。そんな刹那の額に口づけると上体を起こした。

「近頃のラヴグッズってすごくってさぁ…」
「う、ん?」
「体の一部をへ〜んしん!ってね?」
「?????」
「すぐ戻るから。」
「?あ、あぁ。」
「寝ちゃダメよ?」
「…ん。」

言い聞かせるような言葉に素直に頷くと、満足したのかちゅっと軽い口付けを与えてベッドから降りていった。どこに行くのかとじっと見つめていると更に扉を開いて出て行ってしまう。不安が湧きあがるが開けられたままの扉に、ちゃんと戻ってくるという意思表示が見えてじっと待ち続けた。

「おまたせ〜。」

すぐに戻ると言ったとおり、ものの1・2分で戻ってきた。手には小さいとは言えない箱を持って。

「いやぁ…自室に置いとくのはちょっとなぁ…て思ってこの棟にこっそり隠してたんだけど…」
「…うん…?」
「まさかそれが功を奏すとはな。」
「……うん??」

からからと笑うニールの紡ぐ言葉は意味の分からないものだらけだった。再びベッドに乗り上げてきた彼女はきょとりとしたままの刹那に軽く口付けると肩に手を付いて押し倒す。ぱふっとシーツの上に寝転がった刹那は覆いかぶさってくるニールを見上げた。

「まず軽く説明しような?」
「う…ん…?」

体重全てをかけずに躯を寄り添わせてくるニールに刹那は緊張と期待をせめぎ合わせながらもじっとしていた。肌同士が触れ合い、相手の柔らかさと温かさに頭の中が熱く茹る思いだがぐっと我慢する。

「んっ…」
「…ふたなり…ってのはさ…」

顔を擽る唇と、腰を撫でる指にふるりと躯が震える。けれど、もっとと求める躯のままに腕はニールの背に回され、きゅっと抱きついていた。その健気な反応にニールは笑みを深める。

「んぁ…ッ!」
「女の子のこの部分が男の子になっちゃうんだ。」
「んっ…ぅ…ん?」

くにくにと押しつぶされているのは、潰される度にびりびりと強い刺激を与えられる花芽だ。すりすりと撫でられたり弾かれたりする度に躯がぴくぴくと跳ねてしまう。その部分を弄られながらニールの説明を聞いていたのだが…イマイチぴんと来ない。

「触ってみる?」
「…触って…いいのか?」
「いいよ?刹那だから。」

困った顔をしている刹那に、理解できていないな…と分かると背に回した手を掴み取る。一見は百聞にしかず…否、この場合は一触は百聞にしかずだろうか?そんな事を考えながら尋ねてみると好奇心に輝く顔が上げられた。

「でも見ちゃ嫌ぁよ?」
「?どうしてだ?」
「恥ずかしいもん。」
「………」
「…なぁに?その顔。」
「いや…あんたでも恥ずかしい事ってあるんだなって…」

日頃、ニールに散々恥ずかしい思いをさせられている刹那にしては驚きの言葉だ。その感想を素直に述べると彼女の頬がぷくっと脹れる。

「ひどいよ、せっちゃん。」
「あんたがそう思われるような事しているんだろ?」
「そりゃそうですけどぉ…ちょっと傷ついた。」

言いがかりをつけてくるニールを刹那は軽く受け流す。ティエリアにも言われたが、拗ねるニールは構えば構うほど付け上がるので適当に流しておくに限る。額同士をコツリとぶつけて間近に迫ってきた碧の輝きをじっと見つめ返した。

「…というわけで…意地悪しちゃいます。」
「え?…ッ!?」

途端にニヤリとあまり良くない笑みを浮かべると体をひっくり返された。顔がバスローブの中に埋もれると腰だけ高く上げさせられてしまう。お尻を突き出したような格好にされてかなり恥ずかしい。さらにそれだけでは飽き足らず、桃尻を掴まれると思い切り開かれてしまった。

「なっ…んぅっ…ッあぁ!」

「何をする!?」と叫ぶつもりがつぷりと潜り込んで来た長い指に、腰が震え喉から甘い声が漏れ出てくる。躯の最奥が甘く疼き出し、四肢がびくりと大きく跳ねた。

「あっ…やぁっ…ぁっんん!」

くちゅくちゅと卑猥な音を立てて掻き回す指に躯中の力が抜け落ちる。逃げることすら叶わずに突き出した腰がゆらゆらと揺れ動いた。

「そんなにお尻突き出しちゃって…気持ちいいんだ?」
「やっ…ぁんっ!」
「しかもふりふり揺れちゃってるけど…」
「ぁう!…んっ…ふぅっん!」
「えっちだねぇ?刹那?」
「あっ、あふっ、んっくっうぅっ!」

見つけたばかりの刹那がヨがるポイントを的確に攻め立てて甘い啼き声を堪能する。耳に心地良く響く声に舌舐め擦りをして持ってきたパンドラの箱へと手を伸ばした。

「あっやぁ…ぁんっ!」
「…かわい…」

長い指に啼かされる快感を覚えた躯は素直に悦楽を受け入れていく。喉の奥からは震える甘い嬌声が絶え間なく零れ、蜜壺が擦られる度にひくひくと躯が震えた。あっと言う間に濡れそぼった蜜口がニールの指の動きに合わせて卑猥な音を奏でると内腿をとろりと溢れた蜜が零れ落ちる。

「んふっ…んっうぁ…」
「はい。このくらいで許してあげる。」

ずるりと抜ける感覚にぶるりと震えるとニールが頭を優しく撫でてくれた。荒い呼吸を繰り返し、くたりと躯から力が抜けると優しく抱き寄せられる。

「…ろっくぉ…」
「んー?」

蜜壷を嬲る手はなくなったが、今度は顔中に唇が落ちてくる。くすぐったくて身を捩るが、それよりも躯の芯が熱く疼いたままなのが気になった。このまま時間が過ぎれば次第に引いていくのだろうけれど…密着する肌の温かさが中々引かせてはくれそうにない。それに刹那自身も心地良い温かな波をもっと味わいたかった。

「……そんな顔しないの。」
「…え…?」
「そんな泣きそうな顔しないの。」
「う…ん…?」

ニールの苦笑に首を傾げる。彼女の言うような表情をしているつもりはさらさらない。けれど、宥めるような口付けに反論をすることは出来なかった。唇を軽く吸い上げられて…ちゅ…と音を立てると、僅かに開いた隙間から舌が入り込んでくる。甘い果実のような濃密な口付けを交し合うと自然と呼吸が上がってきた。

「ね…刹那。手、出してごらん?」
「…うん?」
「肩に触って…そのままずっと撫で下ろして…」
「…ん…」

言われるがままに手を伸ばし、白い肌に触れる。温かく柔らかな肌を、形を確かめるように徐々に撫で下ろしていった。浮かび出る鎖骨…自分よりも大きくて柔らかい胸…赤く色付く実が手の平で転がるとニールが小さく喘いだ。その声をもっと聞きたくてそっと揉み上げると、耳元に寄せられた唇が鼓膜に甘い声を流し込んでくる。耳たぶに掛かる熱い息に刹那も小さく熱い息を漏らした。

「っん…っふ…」
「…は、ふ…」
「…ふふ…刹那も、興奮、してるの?」
「…ぅん…」

荒く吐き出した呼気に気付かれたのだろう、耳元で笑うニールに囁かれた言葉で余計に恥ずかしくなった。けれど、手は彼女の肌から離しがたく磁石のようにぴたりと吸い付いたままだ。

「俺もさ…」
「…ぅん?」
「刹那に、触る時は…すっげぇ興奮してんだぜ?」
「…ほんと…?」
「ん…一緒、な。」

いつも余裕のある笑みを浮かべている印象しかなかったが、実は違うのだと聞かされて嬉しくなってしまう。

「…でも…」
「…え?」
「もっと下…触って欲しいな?」
「んっ…!」

オネダリするような甘えた声を耳へと吹き込んでそろりと手を動かした。刹那の背に回していた手を下へ…下へとずらして仰け反る腰を通り過ぎる。手の平にしっとりと吸い付くような桃尻を撫で回して、骨盤を包むように手を広げた。どこを触って欲しいか示すように腰骨から太腿を一撫でしてまた上り詰める。ヘソの下まで上がったところで止まってそのまま片手を花弁に沿わせて撫で下ろした。

「んぅっ…んんっ…」
「ね…刹那も…触って?」
「ぁ…はぁ…っ…ん…」

股上を包み込むように手を沿わせて僅かに揺する。固く芽吹いた華芽にはたったこれだけの刺激でも充分なのだ。手の平に押し潰されながら擦られる快感に、紅の瞳がとろりと溶けてしまう。駄目押し、とばかりに胸同士を擦り寄せて互いの実を擦り合わせた。

「…触って…?」
「ぅ…んっ…」

ため息まじりのオネダリに躯の芯がじゅん…と疼いた。二人の胸に挟まれた手を抜き取って、綺麗な曲線を描く腰へと手を伸ばす。その間にも胸を揺すられくにくにと実を磨り潰されては、花弁に被さる手で華芽を擦られた。的確な悦楽を与える行動に腰が砕けそうなほどの甘い疼きが絶え間なく襲い掛かる。

「もうちょっと…下…」

おずおずと動く手に刹那の緊張が伝わってくる。小さな手の平がするすると肌を撫でる感覚だけでもかなり気持ちいい。しかも、もうすぐ目的の位置にくるのだと思うと自然と息が荒くなり、興奮してしまう。足の付け根に差し掛かった手が少しずつ中心へと迫ってきた。

「っ!?」
「…はぁい…到着。」

下腹が指先に触れているのに、何かが手の平を叩いた。手触りとしては肌に間違いはないが、位置からしてもニールの足ではないし、自分の肌でもない。コレは何だろう?と目を瞬いていると、彼女の手が更に導いてくれる。

「これが、さっき…言ってた、代物。」
「…こ、れ…?」

手の向きを変えられて握らされたのは、温かい…棒…のようなもの。指よりもうんと太くて…腕よりも細い。滑らかな手触りにもっと形を知りたくて指を這わせると、耳元で零れる喘ぎ声を聞いた。

「ん…刹那にもある…ココ…に、グッズを装着、したんだ…」
「ッひぅ!」

急に花弁を撫でていた指先が華芽を引っ掻く。途端にびくりと跳ねる躯と、四肢に広がる甘い疼きに嬌声があがった。

「あっ…あっ…」
「…んっ…ふ…」

ぴくぴくと跳ねる躯と共に甘い啼き声が奏でられる。悦楽に歪む顔を間近で見てると震える指が変形させた華芽を撫でた。途端に息が詰まるほどの快感が駆け抜ける。

「…ろっく…おっ…」
「…んっぅ…?」
「…きもち…ぃ…?」
「…ふふ…イイよ?…すごく…いぃ…」
「…は…っふ…」
「もっと…擦って…刹那…」

刹那のぎこちない指の動きに躯が跳ねた事が分かったのだろう…そっと紅の瞳が見上げてくる。どこか心配そうに歪む眉に口づけて更に躯を密着させた。自然と刹那の手に押し付けることになる華芽の楔が悦びにふるりと震える。
重なる躯を受け入れるように無意識に開いた足の間にニールの躯が割り込んでくる。更に開かせようと腰を密着させてくる動きに羞恥が働き、膝を立てると彼女の躯を挟み込む様に腿を擦り寄せた。

「…見ちゃ…ダメ…?」

すぐ傍で乱れる呼吸が胸をどきどきと高鳴らせる。手の中に納められたニールの一部が触る内にぬるりと滑るようになってきた。その汁を表面に塗りつけるように動かせばニールの声が更に乱れる。耳と手の感触でしか知る事の出来ない彼女の一部を見てみたい衝動が湧き出てきた。

「ん…ダメ…」

ぽつりと聞いてみるとやはり否の答えが返ってきた。それでも見たいと疼く好奇心と欲求が刹那の心をさらに疼かせる。

「…恥ずかしい…から?」
「それ、も…ある…」
「…?…も…?」

珍しく食い下がる刹那に苦笑が漏れてきた。腰に内腿を擦り寄せ、花弁が止めどなく蜜を溢れさせるほど感じているくせに、手の動きがまったく衰えない。更には、楔を伝って流れてきたニールの蜜も擦りつけるように動かしている。蜜が手の滑りを更に良くし、その上感触に慣れたのか、刹那の手がしっかりと包み込みに来ていた。『刹那の手に撫でられている』という認識だけでも飛びそうなくらい気持ちいいというのに、ぎこちないはずの動きが酷く巧みに感じられる。

「結構…グロテスクでさ…」
「…怖がる…?」
「ん…多分…だから…今日は…」

もう少し強い刺激を与えられたら呆気なくイくだろうな…という予感から、そっと刹那の手を掴みあげる。包み込む手がなくなった華芽の楔が切なげに疼くが、ほんの少しの辛抱だ。…もう…そろそろ次のステップに踏み切っていいだろう。
考えのままに掴んだ手を口元に持ってくると、己の蜜に塗れた手のひらが見える。ソレを舐め取るように手の平に舌を這わせると刹那の躯がぴくりと跳ねた。

「コレ使って…気持ちよくなる…その方法…教えてあげる…」

綺麗に舐め取られた後、にっと不敵な笑みを浮かべるニールが指先に口づけを落とした。頬が更に熱くなる中、彼女の腕が背中に回される。抱きしめるようにして抱えあげられると、座ったニールの腿の上に下ろされた。両腕を持ち上げて抱きつくように、と促されてきゅっと抱きつく。普段は見上げる貌を見下ろすろ柔らかくほほ笑みかけられた。

「刹那…ちょっと…痛いかもしれないけど…」
「…ん…だいじょうぶ…」
「ん…あまりにも痛かったら…我慢しないで言えよ?」
「…ん。」

こくりと頷く刹那だが、少々…いやかなり信用はない。何せ我慢することに慣れた子だ。痛くても辛くても「大丈夫。」と言い張って意地を張るかもしれない。そんな事にならないように、貌を逐一観察出来るように更に密着させた。

「…いくよ?」
「ん。」

しっかり頷き返してくれる刹那の頬に唇を寄せると、桃尻を掴み直す。少し割り開くようにすると恥ずかしさにきゅっと首へ抱きついてきた。その反応に笑みを漏らしながらそっと引き寄せる。

「んぅ…!」
「…ぁ…」


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